ネズミの糞尿を安全に掃除・消毒する方法をプロが解説!駆除業者への依頼基準も

家でネズミやそのフンを見つけた場合、掃除の仕方には細心の注意が必要です。

「汚いから早く片付けたい」と焦って掃除機で吸ったりすると、排気で病原菌を部屋中に撒き散らすことになりかねません。

ネズミもその糞尿も衛生面で危険が多いため、正しい手順を知らずに掃除するのは、感染症のリスクを高めます。

そこで本記事では、「ネズミの糞尿を放置するリスク」をはじめ、「安全な掃除・消毒方法」までハウスプロテクト監修のもとプロの目線からわかりやすく解説します。

これからネズミ対策を始める人は本記事を参考に、リスクのない正しい清掃・駆除をしていきましょう。

目次

ネズミの糞尿を放置する3つのリスク

ネズミの糞尿を放置する3つのリスク

ここでは、なぜネズミのフンを放置したり、誤った方法で掃除したりしてはいけないのか、3つのリスクを解説します。

リスク①:糞尿に含まれる病原菌・ウイルス

ネズミの糞尿には、数多くの病原体が潜んでいます。

直接触れることはもちろん、汚染された食器や家具を介して人間に感染するリスクがあります。

主な感染症は以下の通りです。

感染症感染経路症状
サルモネラ症ネズミのフンの中にいるサルモネラ菌が、人の手や食べ物を介して口に入ることで感染します。激しい腹痛、下痢、嘔吐、38度以上の発熱を引き起こします。特に免疫力の低い高齢者や乳幼児は重症化しやすいため注意が必要です。
レプトスピラ症ドブネズミなどが保有するレプトスピラ菌が尿として排出され、水や土壌を汚染します。傷口や粘膜から菌が侵入することで感染ます。黄疸、出血、腎障害を引き起こす「ワイル病」として知られています。重症化すると死亡するケースもあります。
鼠咬症(そこうしょう)ネズミに噛まれることでスピリルム菌やモニリホルム連鎖桿菌に感染します。噛まれた傷がいったん治った後に、発熱や発疹、関節痛が現れるのが特徴です。

参考:厚生労働省|動物由来感染症

ネズミが保有する菌と感染症の一覧はこちら>>
ネズミのフンから感染するサルモネラ菌の詳細はこちら>>

リスク②:乾燥したフンが舞い上がり「空気感染」する危険性

「触らなければ大丈夫」というのは大きな間違いです。

実は、ネズミの被害で最も恐ろしいのは、乾燥した糞尿による空気感染です。

時間が経って乾燥したフンや尿は、わずかな風や振動で粉末状になり、空気中を漂います。

これを人間が吸い込むことで、ハンタウイルス肺症候群をはじめとした重篤な呼吸器疾患を引き起こすことがあります。

ハンタウイルス肺症候群とは、北米や南米で報告されている致死率の高い感染症です。ネズミの排泄物が乾燥してほこりとなり、それを吸入することで感染します。発熱や筋肉痛の後、急激な呼吸困難に陥ります。日本国内では1970年代以降、発生報告はありませんが、注意が必要です。参考:厚生労働省検疫所FORTH|ハンタウイルス感染症

また掃除機でフンを吸うと、サイクロンや排気フィルターの中で乾燥したフンが粉砕され、微細な粒子となって排気口から部屋中に勢いよく噴射されます。

これは、「部屋中にウイルスのシャワーを撒いている」のと同じ行為ですので、絶対にやめてください。

ネズミの死骸で空気感染!?保有している菌や処理方法についても解説

リスク③:ネズミに寄生するイエダニ・ノミの二次被害

ネズミの体には、ほぼ確実に吸血性のイエダニやノミが寄生しています。

ネズミが家の中を移動すれば、当然これらの寄生虫も部屋中に拡散されます。

さらに、ネズミが死んだり駆除されたりすると、寄生主を失ったダニたちは新たな血源を求めて人間を標的に。

イエダニによる被害は、蚊とは比べ物にならないほどの激しい痒みや、深刻な皮膚炎を引き起こしかねません。

だからこそ、フンの掃除だけでなく、ダニの駆除も同時に行う必要があります。

ネズミに寄生するダニ・ノミの被害詳細はこちら>>

ネズミの糞尿を安全に清掃・消毒する方法

ネズミの糞尿を安全に清掃・消毒する方法

リスクを理解した上で、目の前にあるフンを安全に処理する手順を解説します。

まず作業を始める前に、必ず以下の装備を準備しましょう。

準備するもの内容
マスク(必須)一般的な不織布マスクでも構いませんが、できれば密着性の高いN95マスクなどが理想的です。粉塵を吸い込まないことが最優先です。
ゴム手袋(必須)使い捨てのゴム手袋やビニール手袋を用意してください。作業後は裏返して捨てます。軍手は液体が浸透するためNGです。
キッチンペーパー・新聞紙・ボロ布フンを拭き取るために使います。すべて使い捨てにします。
ビニール袋回収したゴミを密閉するために2重にできる量を用意します。
消毒剤A:アルコール除菌スプレーエタノール濃度70%以上のものが望ましいです。フローリングや壁紙など、漂白剤が使えない場所で使用します。
消毒剤B:次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)「キッチンハイター」や「ブリーチ」などです。最も殺菌力が高いですが、脱色作用があるため使用場所に注意が必要です。

これらが準備できたら、実際に清掃・消毒していきましょう!

手順①:糞や汚れを静かに取り除く(掃除機は使わない)

まず、空気中に浮遊する菌を外に出すために窓を開けて換気をよくしてください。

乾燥したフンがいきなり舞い上がらないよう、消毒用アルコールを含ませたキッチンペーパーや、濡らした新聞紙をフンの上に被せます。

糞や汚れを取り除く手順内容
手順①:濡らしたペーパーで覆う乾燥したフンがいきなり舞い上がらないよう、消毒用アルコールを含ませたキッチンペーパーや、濡らした新聞紙をフンの上に被せます。これにより飛散を防ぎます。
手順②:拭き取るように回収するホウキで掃くと埃が舞うため、ペーパーで包み込むようにして静かに回収します。
手順③:ビニール袋へ密閉回収したフンはすぐにビニール袋に入れ、口を固く縛ります。

手順②:場所に合わせて消毒・除菌を行う

フンを取り除いた後も、床や棚には目に見えない菌が付着しているため、場所に適した薬剤で消毒します。

次亜塩素酸ナトリウム(ハイター等)を使う場合

トイレ、風呂場、コンクリート、タイルなど、色落ちの心配がない場所には、より強力な次亜塩素酸ナトリウムが推奨されます。

✓希釈液の作り方(0.1%濃度)
市販の家庭用塩素系漂白剤(濃度約5〜6%の場合)を使用する場合は、水500ml(ペットボトル1本) に対し、漂白剤 約10ml(ペットボトルのキャップ2杯分)を混ぜます。

ただし、消毒液を浸した布で拭き、10分ほど放置してから、必ず水拭きで仕上げてください。

成分が残ると金属が錆びたり、皮膚が荒れる可能性があります。

アルコール(エタノール)を使う場合

フローリング、木製の家具、畳、壁紙など、漂白剤で変色する恐れがある場所にはアルコールを使用します。

たっぷりと吹きかけ、乾いた布で拭き取りましょう!

ネズミにハイターの匂いは効く?おすすめしない理由と正しい使い方をプロが解説

手順③:衣類の洗濯と自身の手洗い・うがい

作業が終わったら、以下の手順で自身のケアを行います。

手袋を裏返すようにして外し、ビニール袋に入れて捨てます。

着ていた服は、他の洗濯物とは分けて洗濯します。

可能であれば、85度以上の熱湯に1分以上浸けるか、塩素系漂白剤を使って消毒してから洗濯するとより安全です。

最後に、石鹸で手首まで念入りに洗い、うがい薬でうがいをします。

「消毒」だけでは被害は止まらない!ネズミ駆除とセットで行うべき理由

「消毒」だけでは被害は止まらない!ネズミ駆除とセットで行うべき理由

ここまで消毒方法を解説しましたが、残念ながら「消毒したからもう安心」ではありません。

むしろ、消毒作業だけではネズミ被害を根本的に解決することができないからです。

以下では、なぜ「駆除」と「封鎖」をセットで行わなければならないのか、その理由を解説します。

侵入経路を塞がないと、また汚される

ネズミは帰巣本能が強く、一度「ここは安全なエサ場・住処だ」と認識した家には何度でも戻ってきます。

あなたが一生懸命フンを掃除して消毒しても、ネズミが入ってくる穴が開いたままであれば、その夜にはまた侵入し、フンをします。

そのため、「掃除」と「侵入封鎖」はセットで行わなければ意味がありません。

「天井裏」や「壁の中」の糞尿被害が深刻

ネズミの本当の住処は、普段人間が見ることのない天井裏、壁の中、床下です。

そこには、室内の比ではない大量のフンと尿が溜まっている傾向があります。

尿が染み込んで天井にシミができ、最悪の場合は天井が抜け落ちます。

またネズミは、断熱材を巣の材料にするため、ボロボロに食い荒らし、フンまみれにすることも…。

これらの場所は、素人が自力で掃除・消毒するのは不可能と言えるでしょう。

根本解決には「追い出し」と「侵入封鎖」が不可欠

ネズミ被害を完全に止めるステップは以下の3つです。

  1. 家の中にいるネズミをゼロにする
  2. ネズミが出入りできる1.5cm以上の隙間をすべて塞ぐ
  3. 清掃・消毒: 安全な空間を取り戻す

このどれか一つでも欠ければ、被害は再発します。

特に「侵入経路の特定と封鎖」は、ネズミが通れる500円玉大の穴を家全体から見つけ出す必要があり、非常に高度な技術といえます。

自力では困難!プロのネズミ駆除業者に依頼すべきケース

自力では困難!プロのネズミ駆除業者に依頼すべきケース

ネズミの被害状況によってはプロに任せないと家が壊れ、健康被害が拡大するケースがあります。

具体的には、以下の状況にあてはまる場合は、自力対処の限界を超えている可能性が高いです。

  • 天井裏や床下で足音・物音がする
  • 断熱材・電気配線がかじられている(火災リスク)
  • 悪臭がひどい・ダニの被害が出ている
  • 自分で対策してもネズミがいなくならない

以下でそれぞれ詳しく解説します。

天井裏や床下で足音・物音がする

「トコトコ」「ガリガリ」という音が天井裏から聞こえる場合、ネズミがその場所に巣を作って住み着いています。

天井裏の清掃は、高所作業である上に、粉塵が舞いやすい閉鎖空間での作業となるため、プロの装備が必要です。

断熱材・電気配線がかじられている(火災リスク)

ネズミは歯を削るために硬いものをかじります。

電気配線がかじられると、漏電火災(通電火災)の原因になります。

以下、実際にネズミが原因で発生した火災事例です。

冷蔵庫のコードをねずみ等の小動物がかじったことにより配線が短絡し、火災となりました。この火災により、居住者(男性・60歳代)が亡くなりました。(参考:東京都消防局
宮城県栗原市で住宅など10数軒が焼けた火事で火元となった住宅の出火原因が、ネズミが電気配線をかじったことによる漏電の可能性があることが分かっています。(参考:ネズミが配線をかじって漏電し火事に ネズミ被害の対策を聞く
東京消防庁によると、同庁管内では毎年約6,000から7,000件の火災が発生しており、そのうちねずみが原因であることが確認された火災は毎年12件ほど発生しています。平成8年から15年の間に起ったねずみに起因する火災の総件数は97件が確認できています。(参考:東京都福祉保健局

悪臭がひどい・ダニの被害が出ている

「獣臭い」「カビのような臭いがする」場合、天井裏でネズミが死んでいるか、長年の糞尿が蓄積して建材に染み込んでいる可能性があります。

また、家族に原因不明の虫刺されが出ている場合、ネズミ被害が進行している可能性が高いと言えるでしょう。

このような場合、業務用の殺菌・消臭処理などによる殺虫処理が必要です。

自分で対策してもネズミがいなくならない

市販の粘着シートや毒エサを置いても効果がない場合、相手は非常に賢い「クマネズミ」かもしれません。

クマネズミは毒エサを学習して避け、粘着シートを飛び越える能力を持っています。

この場合、素人では対策が難しいため、プロによる追い出し技術が必要です。

ネズミ駆除・消毒を専門業者に依頼する時の費用相場

ネズミ駆除・消毒を専門業者に依頼する時の費用相場

プロのネズミ駆除業者に依頼する場合、費用が気になる方も多いと思います。

一般的にネズミ駆除の費用は、被害状況や建物の面積によって大きく変動しますが、目安は以下の通りです。

プラン金額内容
一部駆除(軽度)5万円〜10万円ネズミの捕獲と、主な侵入箇所の封鎖のみ
完全駆除(中度〜重度)15万円〜30万円以上家全体の侵入封鎖、糞尿の清掃、消毒、消臭、防ダニ処理を含む徹底的な追い出し

ただし、「○○円~」と謳った格安業者の中には、「消毒・清掃」が見積もりに含まれていないケースがあります。

「駆除はしたけど、フンの掃除は自分でやってください」と言われてトラブルになることもあるので注意しましょう。

そのため、見積もりを取る際は、「糞尿の清掃と消毒、ダニ対策は含まれていますか?」など気になる点は必ず確認することをおすすめします。

ネズミ駆除の費用相場をより詳しく知りたい方はこちら>>

失敗しないネズミ駆除業者の選び方

失敗しないネズミ駆除業者の選び方

ネズミ駆除業者選びで失敗したくない場合、主に下記3つのチェックポイントを確認しましょう!

  1. 余計な手数料がかからない「完全自社施工」
  2. 「消毒・清掃」まで徹底して行ってくれる
  3. 再発防止の「保証期間」がついている

以下で詳しく解説しますのでぜひご確認ください。

余計な手数料がかからない「完全自社施工」

ネズミ駆除業者には、大きく分けて、以下2種類の業者が存在します。

  • 仲介業者
  • 自社施工業者

仲介業者は主に集客だけを行い、実際の作業は登録している下請け業者に丸投げします。

この場合、紹介手数料(中間マージン)が費用に上乗せされるため割高になりがちです。

また、受付担当と現場作業員が別会社であるため、「電話で伝えた内容が現場に伝わっていない」というトラブルも起きやすくなるでしょう。

一方で完全自社施工の場合、業者問い合わせから見積もり、駆除作業までを自社の社員が一貫して行います。

中間マージンがないため適正価格で依頼できるメリットがあります。

「消毒・清掃」まで徹底して行ってくれる

前述の通り、ネズミ駆除は「捕まえて終わり」ではありません。

汚染された環境を元通りに修復(清掃・消毒・消臭)できて初めて「解決」と言えます。

ホームページや電話相談で、「天井裏のフン掃除まで対応していますか?」と質問しておくと良いでしょう。

再発防止の「保証期間」がついている

どんなに腕の良い業者でも、ネズミの再侵入を許してしまう可能性はゼロではありません。

そのため、優良な業者は必ず施工後の「保証期間(アフターフォロー)」を設けています。

「施工後、再発したら無償で対応」といった保証がある業者は、自分たちの技術に自信を持っている証拠です。

おすすめのネズミ駆除業者が知りたい方はこちら>>

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「二度とネズミの被害に遭いたくない」

そうお考えであれば、駆除・消毒・再発防止まで一貫して行ってくれる「ハウスプロテクト」へ相談することをおすすめします。

リフォーム会社が母体となっている「ハウスプロテクト」は、ネズミ駆除だけでなく、ネズミにかじられた壁の修復や複雑な侵入経路の封鎖施工に他社よりも高い技術力を持っています。

そんなハウスプロテクトが選ばれる理由は以下のとおりです。

  • 徹底した消毒・消臭・防ダニ処理
  • 最長10年間の長期保証
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まとめ

ネズミのフンを見つけた時の正しい対処法と、駆除の重要性について解説しました。

乾燥したフンを掃除機で吸うことは、病原菌を撒き散らすため、絶対に行ってはいけません。

正しい消毒手順は、マスク・手袋を着用し、濡らしたペーパーで静かに拭き取り、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムで消毒することです。

ネズミ被害を根本的に解決する場合は、消毒だけでなく、ネズミの「追い出し」と「侵入経路の封鎖」をセットで行うことが重要です。

消毒は自分でもできますが、天井裏の清掃や完全な侵入防止は、専門的な知識と技術が不可欠でしょう。

素人では難易度が高いため、無理せずプロの力を借りることも検討してください。

ハウスプロテクトでは、出張費・現地調査・見積もり作成まで全て無料で対応してくれますので、ぜひこれを機にお問い合わせしてみてください。

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