皆さんは、アライグマと聞いて何をイメージされますか?
もしかすると、アニメなどの影響から、アライグマにかわいいイメージを抱いている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際は人里で見かけたら駆除が必要になるほどの害獣です。
今回はそんなアライグマの困った被害について、感染症という観点から解説してみました。
アライグマには感染症のリスクがある
「アライグマラスカル」など、かわいらしいイメージの強いアライグマ。
しかしその実、「特定外来生物」として登録されている害獣です。
特定外来生物に登録された経緯
元々、アライグマはカナダの南部に生息する外来種でした。1970年代、「アライグマラスカル」などの放映により、ペットとしての人気が高まり、多い年には年間1500頭ほど輸入されるようになりました。
しかし、アライグマは気性が荒く、手先が器用で脱走しやすい動物だったこともあり、その多くが逃げ出してしまったり、捨てられてしまったのです。
野に放たれたアライグマにとって日本は、天敵がいなかったことから、非常に暮らしやすい土地でした。こうしてアライグマの野生化、獣害が一気に進みました。
アライグマによる被害とは?
そんなアライグマの被害の中の主たるものに、感染症や病気のリスクがあります。
酪農学園大教授の浅川満彦氏は、 2016年9月26日放送の「クローズアップ現代+」(NHK)において、アライグマについて「病原体のデパートみたいなもの」と称しました。それほど野生動物の中でも危険な部類に入るということでしょう。
参考:
都会で増え続けるアライグマの脅威 一見かわいいが「病原体のデパート」: J-CAST ニュース【全文表示】
ここから詳しく説明しますが、アライグマが身近にいるのは好ましいとは言えません。
不安があるようでしたらお気軽にお問い合わせください。
ネズミ、イタチ、ハクビシン、アライグマ、コウモリなど、あらゆる屋内害獣に対応。
まずは被害状況をお聞かせください。
それでは一体、アライグマによって、どのような感染症が引き起こされるのでしょうか?
狂犬病
アライグマの保有するおそれのある病原菌の中で、恐ろしいのが狂犬病です。狂犬病とは、狂犬病ウイルスを保有する動物に嚙まれたり、引っ掛かれたりしてできた傷口などから、ウイルスが侵入して発症する感染症です。
狂犬病にかかると、ウイルスが脳まで到達して生命維持に必要な脳の中枢を破壊し、死に至るといわれています。WHOの推計によると、世界では毎年5万人以上の患者が死亡しているとのことです。
死に至ることはもちろん恐ろしいですが、この病気の恐ろしさはそれだけではありません。最初は風邪と似たような症状ですが、進行すると知覚異常やけいれんによって、液体を飲むことができなくなります。また、風が吹いたり、水を見ただけでけいれん発作を起こすようになります。
過去、日本では狂犬病によって多くの命が失われました。「犬の登録や予防接種、野犬などの拘留」を義務付ける、狂犬病特有の法律ができたほどです。その結果、今では日本国内での狂犬病の感染を抑えられています。1957年以降は日本国内で見られていませんが、絶対に感染しないと思うよりも、念のために気をつけておくほうが良いでしょう。
アライグマ回虫症
アライグマ回虫症とは、アライグマに寄生している「アライグマ回虫」と呼ばれる寄生虫が、人体にも寄生することによって引き起こされる病気です。基本的にはアライグマ回虫がほかの動物のもとで成虫になることはありません。しかし、人間が虫卵を経口摂取することによって、病気になることが考えられます。
経口摂取によって幼虫移行症になってしまうと、重度の脳障害を引き起こします。アライグマにとっては問題にならないこの回虫ですが、人間の体内に移ると、人体の様々な部位に転移してしまいます。
このアライグマ回虫の恐ろしい所は、直接アライグマに触れなくても、糞から人へと感染してしまう点です。土の中に糞が埋まっていて、それを知らずに触ってしまうことも十分考えられます。
2002年に国立感染症研究所が調査したところ、日本で野生として暮らしているアライグマからは回虫は発見されていません。しかし、身近にアライグマがいるなら油断しないに越したことはないでしょう。
参考:
アライグマ回虫による幼虫移行症とは – 国立感染症研究所
重症熱性血小板減少症(SFTS)
重症熱性血小板減少症(SFTS)は、ダニが持つ「SFTSウイルス」によって引き起こされる病気です。アライグマは、「SFTSウイルス」を持ったダニに寄生されている可能性があります。
症状としては、発熱や消化器症状、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節の腫れなどです。
身近にアライグマがいたり、いる可能性のある場所に行くなら、長袖長ズボンを着用するなどダニ対策を行うべきです。
レプトスピラ症
レプトスピラ症は、アライグマの尿で汚染された土壌から感染する細菌症です。発症すると、悪寒、発熱、頭痛、全身の倦怠感などに見舞われます。
さらに重症化すると、出血を伴ったり、小さな血栓が全身の血管のあちこちにできてしまう場合もあります。
死亡率は適切に治療がなされなければ20%~30%にものぼる、恐ろしい病気です。
アライグマ=害獣だと認識することが大切
これまでの内容で、アライグマは様々な病原菌を媒介する事は分かっていただけましたか?実は、こういった衛生面での心配以外にも、アライグマには困った習性が多々あります。
例えば、アライグマが屋根裏に住み着いてしまった場合、アライグマの糞尿が下の階に染みてきたり、天井が落ちてしまうことがあります。
というのも、アライグマには同じ場所で排泄するという習性があるため、屋根裏を住処とした場合に、一定の場所に大量の糞尿が溜まります。
そして大量に溜まった結果、天井材が腐り、最終的に糞尿やアライグマの重さに耐えきれず、天井が落ちてしまうこともあります。
また、ゴミあさられたり、小型のペットを食べられてしまったり、農作物への被害もあります。
アライグマを見かけても絶対に触らない!
この記事をここまで見てくださった方は、アライグマがどれだけ危険な動物なのか、ご理解いただけたかと思います。
アライグマを見かけても絶対に触らないことが重要です。近所や、家の中、例えば屋根裏などに住み着いているのを見かけても、触らないのはもちろん、自分で駆除してはいけません。
衛生面の問題だけでも捕獲はもちろん厳禁ですが、法律面でも、狩猟免許や自治体の許可がある場合を除いて、アライグマの捕獲は禁じられています。
近所にアライグマがいたら専門業者に依頼しよう
もし、近所や家の中でアライグマを見つけた場合には、アライグマ捕獲のスキルを持つ専門業者への依頼がベストです。
「いきなり駆除依頼までするのは腰が重い」という方は、まずは相談だけでもしてみてください。アライグマ専門業者のハウスプロテクトなら、無料で電話・メール相談を行っております。
懇切丁寧にヒアリング、被害状況に応じて適切な提案を致しますので、まずはご相談ください!
ネズミ、イタチ、ハクビシン、アライグマ、コウモリなど、あらゆる屋内害獣に対応。
まずは被害状況をお聞かせください。