イタチは、庭や畑、キャンプ場、人間の住家など、身近なところに現れ、人間の手を噛むこともあります。突然のことにどうしたら良いか分からず、インターネットで対処方法を調べているうちに、このページに行き着いた方もいるかもしれません。
そこで今回は、イタチに噛まれたり引っ掛かれたりした場合の応急処置法や、イタチによる感染症について説明していきます。
イタチに噛まれた!引っかれた! 応急処置をすぐにするのが重要
イタチに噛まれたら、噛まれた部分に傷が出来ます。何度も噛みつかれれば複数の噛み跡ができますが、重要なのは傷口の大きさと深さです。傷口が大きく深ければ、血もたくさん出ますし、骨や神経まで傷つき、傷跡が残ってしまうこともあります。
さらには、傷口からばい菌が入ってしまい、膿が出ることもあります。
もしイタチに噛まれたり引っ掛かれてしまったら、すぐに応急処置をしましょう。応急処置で重要なのは次の3点です。
傷口を水で洗う
まず、他のケガをした場合と同じように、傷口を水で洗うことです。イタチに噛まれた場所を水道水などの清潔な水で洗い流しましょう。
消毒する
次に、自分で手早く消毒を済ませることです。無色透明なアルコールなど、色のつかない消毒液を用いて傷口を消毒しましょう。噛まれてから時間が経つと、ばい菌が増えてしまう可能性があります。
すぐに病院に行く
消毒まで済ませたら、傷がどんなに浅くても病院に行きましょう。できれば当日中に行くのが理想です。基本的には皮膚科で良いですが、傷が大きければ外科のある病院に行きましょう。
特に、噛まれた部分が動かせない場合や、血が止まらない場合には、急いで病院を受診してください。また、化膿したり熱が出たりして症状が悪化してから病院に行くのだと、治療がより大変になりがちです。とにかく早めに病院に向かいましょう。
治療内容や処置の方法
イタチに噛まれて通院した場合、次の5つの治療(処置)を受けることになります。
②熱が出ている場合は血液検査と尿検査で炎症があるかを確認
③抗生物質の点滴 ・筋肉注射(化膿止めなど)の注射
④傷口を開いて雑菌がないかを確認・消毒(麻酔の有無は病院による)
⑤縫合(傷口の大きさによって行うかどうかが決まる)
傷口が何か所くらいあって、どのくらいの大きさと深さで、腫れの程度がどのくらいかにもよりますが、上記のような治療が一般的です。傷の状態によっては、敢えてしばらく傷口を開けたままにするケースもあります。
参考:
動物およびヒトの咬傷:傷口への対処方法は?病院受診のタイミングは?|お医者さんオンライン
イタチから感染する感染症や病気
イタチに噛まれると出血したり傷口が残ったりするだけでも厄介なのですが、感染症や病気に罹ってしまうケースも多いです。ここでは、イタチに噛まれた結果として罹る可能性のある代表的な3つの感染症や病気を紹介します。
鼠咬症(そこうしょう)
鼠咬症は、ネズミなどに噛まれて罹る感染症で、「モニリホルム連鎖桿菌」と「鼠咬症スピリルム」の2種類の細菌が原因で発症するレアな病気です。イタチは、ネズミやリスなどを捕食することから、そのイタチに噛まれると鼠咬症が発症してしまうケースがあるのです。
まず、「モニリホルム連鎖桿菌」によって感染すると、3日間から5日間の潜伏期間を経て発症し、悪寒や発熱、筋肉痛、頭痛、嘔吐などのような症状が出ます。
麻疹ましんのような発疹が現れたり、痛みを伴う多発性関節炎を起こしたりします。心内膜炎、腎炎、肺炎、肝炎、髄膜炎膿瘍などに同時に罹ることもあります。
また、「鼠咬症スピリルム」に感染すると、2週間前後の潜伏期間を経て発症し、悪寒、39℃前後の発熱、頭痛などの症状が出ます。噛まれた傷は、2週間の潜伏期間の間にいったん治癒するものの、発症すると赤く腫れて潰瘍をつくります。
狂犬病
狂犬病は、日本・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドなどを除いた全世界のどこでも感染する可能性のある病気です。日本では罹りませんが、海外でイタチに咬まれた場合に注意が必要な病気です。
狂犬病に罹ると、まず発熱や噛まれた傷の痛み、異常なヒリヒリ・チクチクする痛み、そして灼熱感があります。さらに、中枢神経系までウイルスがに広がってしまうと、脊髄や脳に致命的な炎症を引き起こします。
さらに言うと、狂犬病には2つの病型があり、1つ目の狂躁型の狂犬病の場合、易興奮性、恐水症状、恐風症状などが現れます。そして数日経つと、心肺停止により死亡します。
2つ目の麻痺型の狂犬病の場合、長期間を経て、噛傷部分や擦過傷部位から筋肉が次第にマヒしていきます。また、昏睡も進行していき、最終的には死に至ります。厄介なのは、麻痺型の狂犬病には病院での誤診が多く、軽めの症状だと間違われるケースが多くなっています。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)
蜂窩織炎は、噛まれた傷口から細菌が侵入し、皮膚の表面や皮下組織にまで入ることで罹る感染症です。症状としては、皮膚が赤く腫れて炎症になったり、高熱が出たりします。比較的よく罹る病気で、抗生物質により治療されますが、再発を繰り返して症状が悪化すれば死亡するケースもあります。
実際、大分県大分市の公園において、男性警部補がイタチ科のフェレットにかまれて感染症になり、17年後に亡くなった事例があります。公園にいたフェレットを捕獲中に手を噛まれ、病院で感染症の蜂窩織炎と診断され、入退院を繰り返した末に亡くなっています。
破傷風(はしょうふう)
破傷風は、破傷風菌による神経毒素がもたらす神経疾患です。感染した人のうち約80%は、けいれんや脳炎、呼吸困難などの症状を患い非常に危険です。 集中治療が必要な病気とされており、死亡率の高い病気です。
参考:
① 17年前フェレットにかまれる 感染症で今年死亡、警部補公務災害に
② 狂犬病~もし咬まれたら,すぐに医療機関へ|外務省
③ どんな症状があるの?|日本血液製剤機構
イタチの住処やイタチに遭遇しないために
昔はイタチの住処は山地や河川敷だけでしたが、現在では日本全土に広がっており、家の近所やゴミ捨て場、キャンプ場や山、川などどこでも見かけます。非常にすばしこく動き回れる害獣で、木や壁も垂直に上れます。
また、イタチは警戒心が強いため、人目の付くところに出て来るのを嫌うのですが、都市部でも人家の周りにも生息しており、餌や寝処を得るためには人家に入り込み、天井裏、床下、軒下や天井裏、物置などに棲み着きます。
頭が入るだけで侵入出来てしまうので、たった3cm四方の隙間があれば人家に入り込めてしまうのです。イタチに遭遇しないためには、そうした小さな穴も侵入経路となり得るので、徹底的に塞ぐことが重要です。
そして、イタチは獰猛な性格であり、人家に棲み着いたイタチを退治しようとすると、逆に噛みつかれる場合もあります。そのため、見た目が可愛くて近づきたくなる気持ちも分かりますが、絶対に近づいたり触ったりしてはいけません。
もし家屋内に入られてしまったら、一刻も早く屋外に追い出す必要があります。
イタチ駆除はプロにおまかせ
以上のように、イタチには噛まれると大怪我を負うだけでなく、感染症に罹るケースもあり、イタチに遭遇しないための対処を行うことが大切です。
ですが、鳥獣保護法によって、イタチは保護されるべき対象となっており、一般の方が手を出すのは難しくなっています。また、狩猟法によってイタチをむやみに捕獲することは禁止されており、狩猟免許が必要になってきます。
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