コウモリには多くの種類がいますが、日本で人家に住み着くコウモリは2種類だけです。
種類ごとに生態や対策法が多少異なりますので、それを知っておくと効果的な対策を行えるようになります。
とはいえ、実際はほとんど1種類のコウモリだけなので、難しくはありません。
そこで本記事では、人家に住み着く2種類のコウモリの生態と、それぞれに適した対策法をお伝えします。
コウモリ被害の主な2種類の生態とは
世界には約960種類のコウモリが生息していると言われており、日本にはそのうち35種類が確認されています。
ちなみに、日本に生息する在来の哺乳類は100種類以上で、外来種を含めると130種類以上だと言われていますが、そのうちコウモリだけで35種類をも占めます。
そのうち、人家に住み着いて人間に被害をもたらすのは、原則として以下でご紹介する2種類です。
アブラコウモリ
画像引用元:東京ズーネット
日本の市街地で見られるコウモリは、ほぼアブラコウモリです。人家を住処にする種類であることから「イエコウモリ」とも呼ばれます。
見た目の特徴としては、腹面が灰褐色、背面が灰色がかったオリーブ色で、頭胴長が38~60mm程度、前腕の長さが30~37mm程度、体重が5~11g程度です。オスの寿命は約3年、メスの寿命は約5年で、他のコウモリの種類よりも短命です。
平野部や市街地に多く生息しています。温度が安定していて湿度が高く、日光に弱いため光の当たらない場所を好みます。通常、11月中旬~3月中旬には冬眠に入りますが、都市部では冬眠しない個体もいるようです。
日本国内では、全国あらゆるところに生息しており、特に東京都心などの市街地に多く生息しています。夜行性で、昼は静かに寝ており、夕方から夜の時間帯に、公園や農地、ため池や河川など開けた場所で採餌します。
エサは、主にハエや蚊、蛾、蜘蛛やゴキブリ、カメムシやハチなどの小さい昆虫です。大きな個体は野菜や果物、肉などを食べるケースもあります。害獣とされる昆虫を食べるため、元々は益獣として扱われていました。
天敵は、フクロウ・タカなどの猛禽類や、オオカミ・イタチ・キツネ・ヤマネコなどの肉食の哺乳類、ヘビなどです。
交尾時期は冬眠前の秋で、出産時期は初夏です。一度の出産で1匹~3匹を産みます。
鳴き声は、言葉にすると「チッチッ」や「キッキッ」といった声です。
キクガシラコウモリ
画像引用元:大分県庁HP
キクガシラコウモリは、北海道から九州に至るまで多くの地域に住んでいます。鼻が菊の花に似ている点に由来して、キクガシラコウモリという和名がついています。羽毛は茶褐色で、頭胴長は53~82mm程度、前腕長は52~65mm程度、尾長は28~45mm程度、体重17~35g程度です。
日中はトンネルや洞穴、家屋などに数頭~数百頭もの群で集まって休息しています。そして夜間になると、単独で行動し、河川、森林・草原・平地などに行き、蛾や、ゲンゴロウ、コガネムシなどの甲虫から蝉やアブなどの大きい昆虫を捕食します。
廃坑や隧道に住み着くことが多いですが、家屋などもねぐらとして利用します。鳴き声は超音波のような声です。アブラコウモリよりも問題となる頻度は低いですが、家に侵入することがあります。
参考:
① 研究資料|国土技術政策総合研究所
② 京都府レッドデータブック|京都府
コウモリ被害の実態や特徴
前述の通り、コウモリは夜行性であり、日没以降に出てきてエサを取り満足してくると、特定の休憩場所で休憩を取り、そこを拠点として何度も食べ物を探すことと休憩することを繰り返します。
もしコウモリの鳴き声や騒音が聞こえてきたら要注意です。 休憩場所にされると最終的に巣にされ、大量のコウモリが棲み着いてしまうからです。
コウモリは鉄道や倉庫、橋の下などに住み着きますが、人間の造った家屋を寝処にすることも多いです。厄介なことに、たった1~2cm程度の隙間からでも屋内に侵入できてしまいます。コウモリが住み着くと、次のような被害をもたらします。
糞尿の被害
コウモリは家屋に入ると巣を作り、糞や尿で住宅内を汚します。また、コウモリのフンは悪臭もします。
感染症などの被害
糞や尿の中には寄生虫や菌、ウイルスがいるので、病気や感染症などの健康被害をもたらされる危険性もあります。コウモリによりもたらされる感染症としては、次のようなものが挙げられます。
・SARS
・ニパウイルス感染症
・ヒストプラズマ症
・ヘンドラウイルス感染症
日本国内のコウモリは、これらの病気についての正確な感染リスクは未だ分かっていません。しかし、身近にコウモリがいるなら注意しておいたほうが良いでしょう。
寄生虫による被害
コウモリは、ダニやノミ、シラミなど人間や動物から吸血する寄生虫を宿しています。それらの寄生虫が人間やペットに寄生する危険性があるので、コウモリに触ったり、屋内に入れたりするのは危険です。
噛みつかれることによる被害
コウモリは吸血行動をとりませんが、人に噛みつくケースがありますので、触れたり近づかない方が賢明です。
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以上のようにさまざまな被害があるので、コウモリが身近にいるなら早めに解決しなければなりません。
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コウモリの対策法や自力で出来ることは?
それでは、コウモリの被害に遭わないように、どのような対策を施したら良いのでしょうか。ここでは、ひとまず自分にできる対策から始めたい方のために、具体的な方法をご紹介していきます。
くん煙剤
コウモリを屋根裏や広い部屋から駆除したい場合、くん煙剤がおすすめです。煙がその空間一面に広がるだけでなく、小さな隙間にも到達します。非常に広範囲に効くので、くまなくコウモリを追い出せます。
忌避剤・忌避スプレー
コウモリは、ハッカやトウガラシの匂いを嫌うので、それらを忌避剤として置いておくことも一定の効果があります。
また、特定の壁のすき間などの狭い場所や、小部屋などの狭い空間にある巣などをターゲットとしたい時には、忌避スプレーを使用しましょう。狙った箇所にピンポイントに使用でき、思った通りの効果を期待できます。
光や超音波
コウモリは強い光や高周波音を苦手とします。そのためLEDライトなどの強い光や超音波発生器を用いると効果的です。特に、アブラコウモリは光に弱いため、LEDライトなどの強い光を用いた対策が効果的です。
侵入経路対策
コウモリ対策で重要なのは、住宅内でコウモリに巣を作らせないことです。コウモリはたった1~2cmほどの隙間があるだけで住宅内に入り込んで住み着いてしまうので、そのサイズの隙間があったら、徹底的に塞ぐ必要があります。
② 壁のヒビ割れなど狭い隙間がある場合⇒「コーキング剤」を注入する
③ ベランダからの侵入を塞ぎたい場合⇒「防虫用の網目が細かいネット」を張る
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対策する場合の注意点
上記のように、コウモリの対策法はさまざまありますが、一般の方が行って良いのはコウモリを追い払うことだけです。
というのも、アブラコウモリもキクガシラコウモリも、鳥獣保護法によって捕獲や殺傷が禁止されているからです。そのため、もし無断で捕獲や殺傷を行うと、鳥獣保護法違反として、懲役や罰金などの重い罰を科される可能性があります。
コウモリを自分で捕獲したり殺傷を伴う駆除をしたりしたい場合、各都道府県への申請が必要です。ですが、きちんと申請して捕獲や駆除に取り掛かった場合でも、前述の通り、 病気や感染症にかかる危険もありますし、コウモリに噛まれたら危険です。
実際、コウモリを危険生物と認定して、コウモリに接触することを警戒している国も多数存在します。日本に多いアブラコウモリは、狂犬病などは滅多に引き起こしませんが、それでも、さまざまな病気や感染症の媒介者となる危険性をはらんでいます。
そして、コウモリ対策をするうえで侵入経路は大変重要ですが、家中にある1~2cm程度の隙間を徹底的に埋める必要があるので、十分に対処するのは容易ではありません。
参考:
コウモリの感染症について|公益社団法人 日本獣医学学会
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アブラコウモリやキクガシラコウモリによる被害にお困りであれば、プロの業者に依頼してしまった方が、短期間で、確実な成果を得られます。特に、住宅内に巣を作ってしまっている場合には、被害が拡大しないうちに、早急に業者に依頼することをおすすめします。
ハウスプロテクトでは、コウモリの駆除から建物の修繕まで、しっかりと対応いたします。単にコウモリを駆除するだけではなく、被害を負った建物の修繕や除菌・消毒まで行い、安心して今まで通りの生活ができる状態に復旧することをお約束します。
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