【アライグマ、イタチ、ハクビシン他】足跡やフンによる害獣の判別方法

近年では、山のある田舎だけではなく市街地や住宅地などに、ネズミ・アライグマ・ハクビシン・イタチ・コウモリなどによる害獣の被害が多発しています。

さまざまな害獣の姿が見えなくても、建物内や庭などで糞らしきものがあったり、天井裏でドタドタと音がしたりするのでお困りではありませんか。

しかし足音の大きさだけで、害獣を判別するのは困難です。

なぜなら屋根裏では音が反響して大きく聞こえたり、小さいネズミが高い場所から飛び降りれば、大きな音がしたりするため正確な判断材料とはならないからです。

そこで今回は、どの害獣が建物内や庭にいるのかの判断材料にできる、糞や足跡の違いについて解説します。

害獣の見分け方は主に2種類

害獣の足音だけでは、どの害獣が建物内や近隣にいるのか不明です。そのためどの害獣かを見分けるには、害獣が通ったり居たりした場合に残っている「足跡」「糞」で、確認をしましょう。

と言うのも害獣は種類により足跡の形や大きさが異なり、また糞の形状や含まれているもの違うため、「足跡」や「糞」で、どの害獣か判断しやすくなります。

しかし野生の害獣の糞尿には、病原菌が含まれており健康被害が懸念されます。そのため、害獣の糞を見つけても、絶対に素手で触らないでくださいね。

それぞれの害獣の足跡と糞

それでは、害獣別の足跡と糞の特徴について見ていきましょう!

ネズミの足跡と糞

建物へ侵入するネズミは、「ドブネズミ」「クマネズミ」「ハツカネズミ」の3種類です。餌が豊富にある場所で生息しているネズミは、個体も大きいため足跡も大きくなります。そのためネズミの足跡では、大きなものから小さなものまであります。

また、ネズミの足の指の数は「前足が4本」で「後足が5本」。1カ所に足跡がたくさんあり、小さい糞が落ちている場合には、ネズミの可能性が高いでしょう。

▲ 天井裏にあったネズミの糞

ネズミ種類別 糞の特徴

種 類

大きさ

特 徴

ドブネズミ

10~20mmこげ茶・灰色太くて狭い範囲に
落ちている

クマネズミ

6~10mm

茶色・灰色

細長く広範囲に
落ちている

ハツカネズミ4~7mm茶色

米粒ほどの大きさで
量が多い

ネズミの種類によって、糞の大きさや形状も異なります。そのため糞の大きさや色を確認すると、ネズミの種類が判断しやすくなります。

アライグマの足跡と糞

▲ 天井裏にあったアライグマの糞

アライグマは雑食であまり咀嚼をしないため、食べたものがそのままの形で糞に混ざっているのが特徴です。また、アライグマは同じ場所で糞尿をする「ため糞」の習性があり、どんどん同じ場所へ蓄積されます。

関連コラム: 屋根裏や天井のシミ、雨漏りはアライグマの糞尿が原因?今すぐ行うべき対策とは

▲ こちらの画像は、アライグマの足跡です。

アライグマの足は四肢とも指は5本で爪があります。足跡の大きさは約5~7cmで細長いのが特徴です。

前足 長さ 5.5cm、幅6cm
後足 長さ 6.5-8cm、幅5-6.5cm
5本の指が長く目立つ

引用:農林水産省|対象動物の基礎知識

ハクビシンの足跡と糞

▲ 雨どいにあったハクビシンの糞

ハクビシンの糞の特徴は、木の実など混ざっていることが多いです。またハクビシンも同じ場所で排泄をする「ため糞」の習性があるため、天井裏や床下などへ大量の糞をする傾向があります。

▲ こちらの画像は、ハクビシンの足跡

ハクビシンの足は四肢とも指は5本で爪があります。足跡の大きさは約4~5cmで細長いのが特徴です。

前足 長さ5cm、幅 4.5cm
後足 長さ 10cm、幅4cm
踵まで地面に付く

引用:農林水産省|対象動物の基礎知識

イタチの足跡と糞

イタチの糞は、オスとメスとで大きさに違いがあります。また糞の形状は細長く、水分が多いのも特徴のひとつです。さらにイタチは肉食のため、糞は強烈な悪臭を放ちます。

イタチの足の大きさは約2~3cmで、四肢ともに5本指で爪があります。また猫のような丸い形状で、手のひらから離れた場所に、指と爪の跡が残ります。しかし、イタチは体重が軽いため足跡が残ることは、あまりありません。

コウモリの足跡と糞

コウモリの糞の大きさは、約5~10mmで黒っぽい色をしています。また、コウモリの糞はもろく崩れやすいのも特徴です。

日本に生息しているコウモリは通常、後ろ足で吊り下がっています。しかし、コウモリの後ろ足は歩行する力がないため、足跡を確認は不可能と言えるでしょう。

以上、さまざまな害獣の糞についてご紹介しました。

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害獣には危険な病原菌とウイルス

野生の害獣や糞尿には危険な菌やウイルスを持っています。

そこで、害獣別にどのような病原菌の影響でどのような病気になり、症状が出るのかを見ていきましょう。

ネズミによる病気と症状

病 名

症 状

サルモネラ症嘔吐・下痢・腹痛などを伴い、場合によっては血便が出る可能性もあります。またお子様やお年寄りに感染すると重症化や死亡するケースも。
レプトスピラ症
(ワイル症)
発熱・悪寒・頭痛・筋肉痛・腹痛・黄疸などの症状があり、腎臓や肝臓の臓器に重度な障害をもたらすケースもあります。
ハンタウイルス肺症候群ハンタウイルスが引き起こす病気です。発熱や頭痛など風邪のような症状が出ます。
E型肝炎倦怠感・腹痛・嘔吐・食欲不振・関節痛などの症状がみられます。

ハンタウイルスについては、日本では1960年〜1970年代に感染報告がありましたが、その後はみられていません。

参考:
ネズミ被害 – 東京都福祉保健局

アライグマによる病気と症状

病 名

症 状

狂犬病発熱・頭痛・倦怠感・筋肉痛・疲労感などの風邪のような症状から始まり、知覚異常や脳炎症状、最終的には昏睡状態なり呼吸停止をして死亡する危険な病気です。
アライグマ回虫回虫により、中枢神経障害(発育障害・神経系後遺症)や網膜炎を引き起こす。

参考:
アライグマ回虫による幼虫移行症とは
狂犬病についてのQ&A – 彦根市

ハクビシンによる病気と症状

病 名

症 状

重症急性呼吸器症候群
(SARS)

発熱・悪寒・筋肉痛などのインフルエンザのような症状から発症。その後非定型肺炎・乾性咳嗽・呼吸困難・水様性下痢のような症状がピークをなります。重症化をすると、呼吸不全になる可能性もあり危険です。

ネズミと同じくハクビシンも、レプトスピラ症・サルモネラ症・E型肝炎の危険性もあります。

SARSについてはまだハクビシンが媒介する恐れがあるという程度にしかわかっていませんが、念のために注意しておくほうが良いでしょう。

参考:
厚生労働省 関西空港検疫所|重症急性呼吸症候群(SARS)

イタチによる病気と症状

病 名

症 状

鼠咬症

悪寒・寒気・発熱・頭痛などの症状があります。
ネズミと同じくイタチにも、レプトスピラ症・サルモネラ症・ハンタウイルス肺症候群の危険性もあります。

参考:
時事メディカル│家庭の医学│鼠咬症

コウモリによる病気と症状

病 名

症 状

狂犬病

発熱・頭痛・倦怠感・筋肉痛・疲労感などの風邪のような症状から始まり、知覚異常や脳炎症状、最終的には昏睡状態なり呼吸停止をして死亡する危険な病気です。

ニパウイルス感染症

発熱・頭痛・筋肉痛の症状からはじまり、見当識障害や痙攣・昏睡などの脳炎症状になります。

リッサウイルス感染症

風邪のような症状からはじまり、中枢神経症状を発症する可能性もあります。重症化すると呼吸困難になり、死亡するケースもあげられます。

ニパウイルスやリッサウイルスについては日本では感染が確認されていませんが、念のために知っておきましょう。

参考:
コウモリと狂犬病 – 日本獣医師会
厚生労働省 関西空港検疫所|ニパウイルス感染症 
厚生労働省 関西空港検疫所|リッサウイルス感染症

さいごに

それぞれの害獣より、糞の形状や足跡の形も異なります。

そのため糞や足跡を確認することで、どの害獣が家屋や庭へ来ているのか、判断の目安になりますね。

しかし「害獣の足跡や糞を見つけたけれど、どうしたらいいものか……」とお悩みでしたら、被害が大きくなる前に、ハウスプロテクトへご相談ください。

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