イタチの保有する病原菌とは?感染症や衛生面のリスクを解説!

最近、「近所にイタチらしき動物を見かける」という方、イタチの被害は騒音や悪臭だけではありません。

野生生物であるイタチは病原菌を保有することもあります。

今回はそんな、イタチが及ぼす健康被害について解説しました。

イタチってどんな動物?

「イタチ」という名前だけは聞いたことがあっても、その生態など、詳しく知っている方はごく少数ではないでしょうか?ということで、本題に入る前に、ここで簡単にイタチについて説明したいと思います。

イタチは小さく細長い動物で、哺乳類のイタチ属に属しています。鼻先が尖っていて、顔には丸く小さな耳があり、可愛らしい顔立ちをしています。

しかし、見た目に反してニワトリやウサギなど、自分より一回りも大きいサイズの動物をたった一匹で狩りにいくなど、凶暴な一面も持っています。水辺を好み、泳ぐのが上手いのも特徴です。

ちなみに、ペットとしてよく飼われている「フェレット」や絶滅危惧種で天然記念物認定をされている「オコジョ」も、イタチの仲間になります。

日本にいるイタチについて

イタチは世界中に幅広く分布していますが、日本にいるイタチは在来種の「ニホンイタチ」と外来種の「チョウセンイタチ」の二種類です。

「ニホンイタチ」は日本に昔からいる在来種です。しかし、北海道や南西諸島では外来種として扱われ、在来種を圧迫しています。

ニホンイタチは現在数が減っているため、害獣被害や街中で見かけるイタチは、外来種であるチョウセンイタチがほとんどです。

イタチが及ぼす健康へのリスクについて

野生で暮らすイタチの身体にはノミ、ダニや病原菌が付着しているおそれがあります。

厚生労働省の資料にも、野生動物はどんな病原体を保有しているか不明な上に、人間に危険な感染症の病原体を保有する可能性があることが記載されていました。

参考:
動物由来感染症 – 厚生労働省

病原体については目に見えませんし、安易に野生生物に直接触るのはご法度です。

とはいえ、ここまではなんとなくご想像いただいていた方も多いかと思いますが、イタチに触れてはいけないことを心がけていたとしても、イタチが住み着いているだけで健康が脅かされてしまいます。

イタチが家に住み着くと、糞や尿が屋根裏などに溜まります。そしてその糞尿を放置し、ハエなどの害虫が大量に湧いた結果、かなり不衛生な状態になってしまうケースもあるのです。

イタチが出す騒音について

また、糞尿の悪臭や騒音によって及ぼされる精神的被害はかなり大きいです。イタチは夜行性で、昼よりも夜に動くため、夜中、屋根裏からドンドンと音がして眠れないこともあります。不眠は、精神的負荷はもちろん、うつ病や糖尿病、高血圧などさまざまな病気の原因になりますので、注意したいところです。

イタチの放つ悪臭は凄まじい

また、イタチの放つ悪臭は凄まじいものがあります。

イタチはスカンクと同様に、肛門回りに臭腺を持っています。そして外敵に襲われた時、この臭腺から悪臭が放出されます。

つまり、「スカンクといえば臭い」というイメージがありますが、イタチにもまた、そのスカンクと同じ器官があるということです。それを考えると、イタチがどれだけ臭いのか分かっていただけると思います。

イタチの糞も、他の害獣とは比べ物にならないくらい臭いです。

イタチは肉食寄りの雑食性であり、昆虫・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類肉・魚から野菜や果物まで様々なものを食べます。肉食獣の糞は臭い傾向にあるので、肉食寄りの雑食動物であるイタチの糞もかなり臭います。

そんな、かなり臭くて不潔なイタチの糞が、簡単には掃除できない屋根裏に溜まっていくのです。その様子を考えただけでとゾッとしてしまいますよね。

イタチの持つ病原菌とは?

イタチは、以下の病原菌を保菌している可能性があります。

イタチが保菌している可能性のある病原菌の一例主な症状
サルモネラ菌
食中毒を引き起こす。小児や高齢者など場合、脱水症状により命に係わる深刻な状態なることも
レプトスピラ菌
発熱、筋肉痛、目の充血、下痢、嘔吐、頭痛
鼠咬症スピリルム
悪寒、発熱、頭痛、嘔吐、筋肉痛

参考:
FORTH|最新ニュース|2018年|サルモネラ症
レプトスピラ症とは – 国立感染症研究所
鼠咬症 – 16. 感染症 – MSDマニュアル家庭版

繰り返しになってしまいますが、近所や家の中でイタチらしき動物を見かけて気になったとしても、絶対触らないようにしましょう

なんらかの病気にかかってしまう可能性があります。

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イタチのダニ・ノミ被害について

イタチにはノミやダニが大量に付着しています。そんなイタチの身体が媒介となって、ノミやダニがカーペットや布団に移った結果、家中ノミやダニだらけになってしまうこともよくあります。

「ノミやダニであればよく聞く名前だし、病原菌に比べたらマシだろう」と侮ってはいけません。ダニやノミというのは、恐ろしい感染症を引き起こす生物なのです。

ダニの被害

アレルギー性の喘息やアトピーなどの症状がある方の多くがダニやハウスダストが原因と言われています。

特にダニの標的になりやすいのが、小さな子供です。

ダニはわき腹、下腹部、太もも・二の腕の内側といった、皮膚の柔らかい部分を好みます。子供の皮膚は大人と比べると薄いので、ダニの被害にあいやすいのです。

ダニをきっかけに、アレルギーになってしまうことも少なくありません。

参考:
ダニアレルギーの症状や対策、治療法は? 咳やくしゃみの原因とは | バルサン | レック株式会社

ノミの被害

ノミはペットに「ノミアレルギー性皮膚炎」というアレルギーによる皮膚疾患を引き起こします

参考:
ノミアレルギー性皮膚炎|ペット保険のFPC

ペットについても注意が必要となるのです。

病気にならないためには

たとえイタチに触らないことを心がけたとしても、イタチの糞尿やダニ、ノミによって病気になってしまう可能性は避けられません。

では、病気になることを防ぐためには、どのような対策をしていけばいいのでしょうか?

イタチを駆除する

病気になることを防ぐためには、病気になる根本的な原因を排除する必要性があります。つまりここではイタチを駆除したり、追い払ったりすることが必要です。

ただ、率直にいうと、イタチの駆除はかなり難易度が高いです。

その根拠としてまず挙げられるのが、イタチの稀に見る凶暴性です。イタチに飼育動物が襲われてしまったというケースもありますので、イタチ駆除にはかなりの危険が伴います。

また、実は「鳥獣保護管理法」という法律によって保護対象であると位置付けられています。そのため、個人で処理を行ってしまうと、法律違反で罰金が発生する可能性があります。

清掃・消毒を行う

イタチがいなくなった後の、清掃や消毒作業もかなりハードな作業です。

「イタチが住み着いていた不衛生な場所を消毒、清掃する」となると、それこそ、前述したような感染症にかかってしまってもおかしくありません。

また、糞尿の臭いや見た目の汚さなど、非常に不快感の強い作業でもあります。

このように、自力での対処はあらゆる面から厳しいです。無理せずイタチ駆除専門業者へ頼むことをお勧めします

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