近年ではアライグマによる農作物や家屋への被害が多発しています。アライグマは愛らしい見た目とは異なり、攻撃的でやっかいな「害獣」です。しかしアライグマを捕獲するには、各都道府県や市町村、保健所などへの申請が必要となっています。
アライグマの被害に遭っているのに、「自分で何かできることは、ないのだろうか?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。しかし、アライグマを捕獲をするためには申請が必要です。ところが「家から追い出す」ことでしたら、申請は必要ありません。
そこでアライグマを追い出す方法として、設置も簡単で安価で手に入る超音波装置を検討する方は少なくありません。今回は「プロの目線」から超音波装置の持続時間や有効性を解説します。ぜひ参考にしてください。
超音波装置はアライグマ対策にどんな効果があるの?
インターネットやホームセンターなどで、害獣駆除グッズとして超音波装置が販売されています。しかし、「なぜ超音波でアライグマ駆除に効果があるのだろうか」と不思議に思っている人もいるのではないでしょうか。
まず、人間と動物では可聴域(超音波が聞こえる音の範囲)が違います。超音波は、基本的に人間の耳では聞こえない高い音を示します。またアライグマを含めその他の動物などは可聴域が広く、超音波をキャッチする能力が人より優れているため超音波が聞こえるという仕組みです。
そのため、超音波装置でアライグマの嫌がる音を出すことにより、追い出したり寄せ付けを防止に使用したりすることにより効果を得られるのです。
それぞれの可聴域
人間の可聴域は約20Hz~23kHz。アライグマの可聴域は約100Hz~40kHzとされています。そのため人間は23kHz以上の超音波は聞こえません。そこで超音波装置で24~40kHzの超音波が出る機材を使用することにより、アライグマへの効果を得られます。
しかし23kHzに近い超音波だと、人間に聞こえる場合もあります。超音波機器を購入する場合には、超音波の調整機能があるものを選んだほうが得策です。
参考:音楽研究所│動物の可聴域
アライグマ駆除におすすめの超音波装置
ここで、アライグマ駆除に人気の超音波装置について見ておきましょう。
同じものでなくとも、選び方を参考にしていただければご自身の状況に合った製品が購入できるはずです。
動物撃退器 感知範囲10m
こちらの超音波装置の周波数は、13.5kHz~45.5kHzの3段階調整ダイヤル付き。範囲は左右120度、直進最長約10mまでの感知が可能です。また、LEDの強力フラッシュライト・赤外線センサー機能があります。 電源はソーラー充電とUSB充電の2種類あるのも嬉しいですね。さらに、防水カバー付きで調整ダイヤルと電池も保護するので野外での使用も安心してご使用できます。 こちらの超音波装置には、超音波調整ダイヤルがあるので、人間が聞こえない設定に合わせられるため便利です。 |
令和3年新バージョン 動物撃退器
こちらの超音波装置の周波数は、13.5kHz~28.5kHzの2段階調整ダイヤル付き。範囲は正面110度、直進最長約10mまでの感知が可能です。 また、LEDの強いストロボ光と音声で追い払う機能もあります。こちらも電源はソーラー充電とUSB充電の2種類があります。さらに、防水機能付き野外での使用も安心して利用できます。 しかしこちらの超音波の周波数は、人間に聞こえる可能性があるので、使用するなら畑などの人間がいない場所に適しています。 |
害獣撃退アニマルガード
こちらの超音波装置の周波数は、15kHz~25kHzの4段階調整ダイヤル付き。範囲は正面170度、超音波対象範囲約21mと幅広く感知が可能。 また赤外線センサーの感知範囲の調節ができ、作動時間も日中、夜間、24時間の3種類からえらべるのもいいですね。こちらの超音波装置は電源と電池式です。 さらに、防水機能はありますが完全防水ではないので、アライグマが住処にしている天井裏や床下などの家屋で使用するといいでしょう。 |
画像:Amazon
通せんぼくん
こちらの超音波装置の周波数は、12kHz~35kHz。範囲は左右110度・上下30度、超音波対象範囲約10mまでの感知が可能。 85dbの大音量により7種類の威嚇音を出すことで撃退させます。さらに、LEDフラッシュ機能も付属しているので効果大です。 また3種類の切り替えスイッチが付いているので用途に合わせて変更が可能。こちらの超音波装置は太陽光パネルとニッケル水素電池が内蔵されているので電池の交換は不要です。 音や光がでる超音波装置ですので、人間がいない場所に設置することが好ましいですね。 |
画像:楽天市場
アライグマ対策における超音波装置の注意点
超音波装置は、設置方法も簡単で力も使わず、専用の道具も必要がないので手軽に取り入れやすいですね。しかし、超音波装置を使用の際には下記のような注意すべき点があります。
人間に聞こえる場合がある
年齢の若い人には超音波が聞こえる場合もあります。なぜなら、子どもから20代くらいの若い人は可聴域が広いため、超音波が聞こえる場合もあるからです。
また年齢を重ねるとともに可聴域が狭くなってくるので、30代以上の人だとほぼ聞こえなくなります。そのため、年齢が若い人と同居している場合には、超音波で不快な思いをする可能性が高いので注意をしてください。
ペットへの悪影響
動物全体に言えることですが、超音波はペットで飼っている犬や猫、ハムスターやウサギなど、その他の昆虫や動物にも聞こえます。そのため超音波でペットの具合が悪くなる恐れもあるため、宅内での使用は避けたほうが賢明です。
≪関連コラム≫
アライグマ駆除の超音波はペットに悪影響を及ぼす可能性あり!その理由について
【プロの見解】選ぶ機材や設置場所によって効果はまちまち
超音波装置は、選ぶ機材や状況により効果は異なります。また超音波は、壁などの障害物があるとアライグマに届かない可能性もあるので、設置場所により効果が得られないこともあります。
またほかの害獣にも当てはまりますが、はじめは超音波の音でアライグマへの効果が得られます。しかし段々と超音波に慣れてくると、効果が薄れるため追い出したアライグマが住処に戻ってくる場合も多くあります。
根本解決はアライグマの出入りを阻止すること
せっかく、追い出しに成功しても戻ってきては意味がありません。根本解決には、侵入口の封鎖が必須となります。
またアライグマはとても器用なので、侵入口に障害物を置いても寄せて、家の中に侵入してきます。さらにアライグマは力も強く、食い破ることもあるので侵入口を封鎖するには、金属性のプレートや頑丈な木材などで塞ぐと効果的です。
ご自身で侵入口を封鎖する場合、暗く狭い場所や高さのある場所などで作業をするときに、事故やケガなどないように気を付けましょう。さらに作業中、アライグマと遭遇する場面に出くわした場合には、攻撃される可能性もあるので注意してください。
まとめ
それでもアライグマの被害が収まらない場合には、駆除業者への依頼をおすすめします。アライグマは繁殖力も高く、個体数が増えるとともに被害も増大します。
さらにアライグマの糞尿が天井から雨漏りのようにしたたり落ちたり、木材が腐り糞の重さに耐えきれず、天井が落ちたりするなどの被害もあります。そのようなことになったら大変です!
弊社ハウスプロテクトでは、リフォーム会社が母体となっているため再発防止の施工にも自信があります。アライグマの駆除はもちろんですが、清掃・消臭・消毒作業も徹底的におこないますので衛生面もご安心ください。
ご相談と現地調査を無料でしていますので、ぜひお気軽にご連絡いただければと思います。